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父からの手紙

2019年、年始に父から届いた手紙。
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本年は亥年、猪でありますが、新潟県内では既に阿賀野川を越えたようです。関川村で猪の被害を耳にしました。米沢の白布峠も越えていると米沢の方が言っています。猿は言うに及ばず、熊も寺のすぐ近くに出ています。寺に食べ物がある訳ではありませんが、近くの畑の人は被害にあっています。人間は過疎化を辿り(小学校が春より八幡に一校になります——全校で140人の児童)、動物は北限域を上げていきます。日東道の工事が進み、町内でも数ヶ所で道路工事が始まりました。住人のいない家屋は取り壊しが少しずつ始まっています。かつて小学校の登下校で列を組んでいた様子は無くなり、その部落・町内に小学生が一人でもいればどこの子供だかすぐわかります。村の住人は高齢化で山や畑にでるのがきつくなってきました。春から始まる、山菜 田んぼで見かける人は(委託した)公社の人 鮎で川に入る人は他所の県の人 コドの所有者も少ないし、大毎で除雪に来てた人は、ボランティアの方々でした。
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New Found Land:アヴァンギャルドデータベース「Forgotten Heritage」

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◆Forgotten Heritage
https://www.forgottenheritage.eu/

ポーランド、クロアチア、エストニア、ベルギー、フランスの20世紀アヴァンギャルドのアーティストに関するデータベース。


ロシア・LGBTネットワーク代表インタヴュー(2018.11)

2018年11月、「ロシア・LGBTネットワーク」の代表イーゴリ・コチェトコーフ氏が、エゴール・ガイダル賞を受賞しました。チェチェンにおける同性愛者の人権擁護活動などが評価されたとのこと。
ゲイであることをオープンにしている人物がこのような権威ある賞を受賞したことは、ゲイ・プロパガンダ禁止法が制定されるなどますます性的マイノリティへの風当たりが強まるロシアにおいて、快挙と言えると思います。

ガイダル賞公式ウェブサイトに掲載されているインタヴューを訳しました。

全文はこちらから。
https://note.mu/pokayanie/n/n8731c73d06cf

「ゆめみるけんり」vol.3を出版しました

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「ゆめみるけんり」vol.3を出版しました。今回の特集は「睡眠主義」です。

わたしは、特集のなかでロシア・アヴァンギャルドの画家/詩人エレーナ・グローと、アンドレイ・プラトーノフの作品の一部を訳しています。 また、前号から引き続きニコライ・フョードロフのエッセイ「著作者の義務と、博物館=図書館の権利」の後半も掲載しています。さらに今号から、藤田瑞都との共訳で、フェルナンド・ペソア「アナーキスト・バンカー」を連載します。今回は前半を掲載しています。

詳細はこちらから。
https://droitdeyumemir.blogspot.com/2018/09/zinevol3.html

入手方法はこちらにまとめています。全国書店およびKindleで展開中です。私に直接お問い合わせいただいても大丈夫です。https://droitdeyumemir.blogspot.com/p/our-zine.html
来年もまた1号出しますので、寄稿等興味ある方はいつでもお声がけください。

プラトーノフ『不死』を上梓します

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未知谷より、アンドレイ・プラトーノフの初期作品集『不死』を上梓します。

通勤電車の車内で、「不死」と大書きされた小ぶりな本を読んでいる人がいる——そんな風景を見たくて、作品集のタイトルを選びました。

〈収録作品〉 「永遠の生命」 (1920) 「世界の魂」 (1920) 「星の砂漠で」 (1921) 「不可能なもの」 (1921) 「Anti-Sexus」 (1925-26) 「不死」 (1936) 「父の声」 (1938-40) 詩篇 (1921-26)
「初期」といいつつ、さまざまな年代の作品が入っていますが、撰定基準については跋を見ていただいて。

すでに誤植など、気づいていて、汗顔の至りではありますが、ぜひ手にお取りください。

〈ネット書店〉
e-honhonto紀伊國屋書店Honya Club
*以上のサイトでは、店舗で受け取り、実店舗を応援することができますので、お勧めです。
amazon

◆Twitterより



ロシア文学・文化系インディー誌リスト

個人的な調べものの過程で知り合った同人誌などが多くなってきたので、思い立ってリストを作ってみることにしました。主に、国立国会図書館のサーチエンジンでいろいろと掛け合わせ検索をして見つけたものなどです。今後も発見次第、更新します。
今ここでまとめておくのも一定の意味はあるでしょう。というのも、ある特定の文化圏に捧げられた同人誌という枠組み設定や媒体自体、おそらくすでに過去に属する発想と言ってしまえないこともなく、事態がほぼステイブルになった今ここで一度振り返ってみるのも悪くないと思えるからです。

例えば数年前に、若い研究者たちを中心に『チェマダン』(http://chemodan.jp)というメディアが登場しましたが、その集まり方は同人的と言えても、そのメディア自体はもはや同人誌と呼ぶことはできません。このようにメディア自体が変化をみせるなかで、しかし今後しっかりと考えなければいけないのは、webなどの流動的なメディアを用いた表現をどうアーカイヴしていくか?ということであるでしょう。紙媒体であれば図書館という場所があって、発行から多少の歳月を経て、わたしのような人間が時おりアーカイヴから掘りだすということが可能なのですが、webの場合、今後どうなるのでしょうか。
下のリストでは、特段の客観的な基準は設けていません。強いて言うなら、大学や学会の外で営まれる(語の最上の意味での)「知的遊戯」と判断できる定期刊行物……ということでしょうか。そういう業績を度外視したいわば「無駄」が、わたしはとても好きですし大切だと思っています。それが自分でもzineをやるモチヴェイションの少なくとも一つにはなっています。そういう無駄や遊戯に、誠実な連帯を示したいと思いました。

すでに失われた雑誌への哀悼を込めて。現存する雑誌(★印)の健闘を祈って。

最後に伝えたいのは、同人のみなさん、忘れず納本しましょうね!ということですね。そうすれば何十年後かにこのようにして再度読まれる可能性は、少なくとも残るわけですから。納本については→http://www.ndl.go.jp/jp/collect/deposit/request.html

ロシア文学・文化系インディー誌(戦後)リスト◎同人誌系 ・『アグネブーシカ』Z71-G199:Огневушка。「カスチョールの会」が刊行するロシア児童文学翻…

プラトーノフ「汝の名が讃えられんことを」

ぼくらの祖父や曾祖父は、労働を罵っていた。彼らは信じていたのだ——アダムとイヴの愛欲の罪のために、神が労働によって彼らを罰しているのだ、と。

彼らのうちで、その狭い血管を血液が疲弊しきって流れていた。胃袋は脹れ、彼ら自身は粘土製の巨人であった。彼らは労働の歓喜は知らなかったが、祝祭をよく理解していた。祝祭——法に認められた怠惰が勝ち誇る日々を。

大地の動きはわるかった。大いなる焔である太陽のみが、何十億の星々がなす流れや滝の中を大地が駆けぬけるようにしていた。その生命なき土塊から、生命と人間とが生まれたのだ。この人間というものは、その母にふさわしい息子となり——石と化し、動きを止めた。そしてそのせいで長いこと、あらゆるものの奴隷の地位に甘んじていた。

[それは続いていた——]人のこころの中で何かが張り裂けるまでは。その目を見開き己の眼前に破滅と死——人間の恐怖と無力の永遠の道連れ——を目にするまでは。人びとのあいだにキリストが生まれるまでは。キリスト——つまり、大地の子のうちでもっとも強き者、自信と歓喜の力によって己れの下に死を押し潰す者が。そしてそれによって、永遠に人間に経帷子をかけて葬り去ってしまう、あの狂ったような時の流れを押しとどめたのである。

人間は駆けだし、そして労働をはじめた。はじめて、人間は自らが世界の諸力に対して万能かつ唯一の君主であると感じていた。はじめて、人間のうちを恐ろしく破壊的で自由気ままな世界の力が流れていった。そして人はその威力を知り、それを征服する喜びを知り、そうした力はよく探求してみれば、恐ろしくないばかりか取るに足らないものだと知ったのである。

人間と労働は、お互いにお互いをものにした。そしてこの瞬間から、世界に破滅が宿命づけられ、人間はあらゆる現象、世界の震え・変化のすべてを己れのなかへ吸収しはじめたのだ——力を増すため、また己れの生を不死化するために。人間は無限と不死の王国、自由と勝利の王国を自らに運命づけたのである。

はじめの人間が自らの必要のために木をくり抜くのに使ったはじめの石は、自然の終焉であり、人間の端緒だったのである。

妻子の不意の死に対する怒りと復讐心のはじめの激発、これが不死の始まりである。

沼沢で倒れたオークの木と、沼の水位の上昇の関係性が無意識に捕えられたが、これが思考と学問の誕生にあたって決定的な動機の役割を果たした…