重力/Note公演「Love Junkies」に翻訳で参加

重力/Noteの公演「Love Junkies」に工藤 順が翻訳で参加しています。

原作は、アルフォンソ・リンギス(Alphonso Lingis)の『信頼』(Trust)の中の掌篇「Love Junkies」です。

仙台・北九州・盛岡をめぐる公演。ぜひお立ち寄りください。
劇場限定パンフレットも販売中です(80部限定版¥500、簡易版¥400)。


パンフレット(限定版)より序(工藤 順)

このテクストは、アメリカの旅する哲学者、アルフォンソ・リンギスが書いたテクスト「Love Junkies(ラヴ・ジャンキーズ)」を、重力/Noteの公演のために訳し下ろしたものです。基にしたテクストは、リンギスの“Trust” (U. of Minn. Pr., 2004)に所収の版ですが、Performance Research誌(9(4), 2004)に所収のテクストも参照しています。既訳には『信頼』(岩本正恵訳、青土社、2006)所収のものがあります。 
テクストを一読したときに感じたのは、異様な“若さ”でした。リンギスは1933年生まれですから、このテクストを執筆したのは彼が73歳(!)のとき、ということになります。「年相応」などという言葉を吹き飛ばしてしまうような、鮮烈なテクスト。翻訳もその若さに追いつくべく、何度も音読しながら、改訂を重ねました。また、公演を前提とした翻訳でしたので、演出家や俳優からフィードバックをもらいながら、「1度で意味が伝わるか」ということを意識して公演まで何度も改訂を重ねたのも、また得がたい経験でした。 
雑誌に掲載された版は、テクストのなまなましさの点で、単行本版にまさります。今回はたまたま雑誌版から先に翻訳し、のちに単行本版と突きあわせて翻訳を行いました。単行本版のテクストにあわせていく作業のなかで泣く泣く切り捨てた、輝くようなテクストもありました。 
「LGBT」や「ホモセクシュアル」という言葉をいちど脇において、ひとがただひたすらに「ひと」でしかないような、無条件で絶対的な愛の経験に身をゆだねてほしいと思います。






◆ Information ◆
世界中を旅したり異国に住んで思索することで知られる哲学者アルフォンソ・リンギス
彼が出会ったセクシャルマイノリティの犯罪者カップルを描いたテクスト『LOVE JUNKIES』を演劇化します

〈愛〉と〈信頼〉

いかなる苦難の状況においても、人間が求めないではいられない精神の身振り

その根底に流れる情動を、地球規模で繰り広げられる生命の営みと繋がりを持つものとして考察したテクストをもとに、いまの私たちの生存感覚と向き合う〈場〉をひらく演劇として皆さんにお届けします

また遠距離間での共同作業の可能性を模索する〈リモート稽古〉や、上演予定各地で稽古やリサーチを重ねて移動性と場所性を活用する〈旅する稽古場〉といった創作プロセスの試みにもご注目ください



『LOVE JUNKIES』

原作:アルフォンソ・リンギス(『信頼』より)
翻訳:工藤 順

演出・舞台美術:鹿島 将介

出演:小濱 昭博



公演日程
[仙台公演]6月16日(日)〜23日(日)@せんだい演劇工房10-BOX box-1
[北九州公演]7月5日(金)〜7日(日)@枝光本町商店街アイアンシアター
[盛岡公演]7月16日(火)〜17日(水)@いわてアートサポートセンター 風のスタジオ

詳細は重力/Noteウェブサイト、SNSにて
http://www.jyuuryoku-note.com
twitter: @Note1069

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