10/18「ノイズとビッチ」フェスティバル(ロシアのシューゲイズ)

10/18夜(19時)〜19朝(5時)にかけて、ペテルブルグ市内のライヴハウス「клуб da: da:」(地下鉄センナヤ・プローシャチから徒歩一分)で開かれたシューゲイザーオールナイト「ノイズとビッチ(шум и шлюхи)フェスティバル No.11」なるイベントに行ってきました。そのまとめです。(写真多数)
ロシア(ペテルブルグ)におけるシューゲイズに興味があればご覧ください。



клуб da: da:外観(廃墟跡に建てられているので、入るのにちょっと勇気がいる。住所までたどり着いたら、案内看板ないですが一度門をくぐってください。)
センナヤ(危ない)の近くなので、あんまり頻繁に行きたくはありません。特にこの日はフーリガンが発生するサッカー試合の日だったんで迷いましたが、ずっと中にいるなら大丈夫かな、と思って行きました。かなり良かったし、なにより死ななくてよかった


参加バンドは13組(1バンド45分)で、特記しなければペテルブルグのバンド、「シューゲイズ」と銘打たれた割にはいろいろなジャンルがあった気がします。

出演順に概要と印象など書いてみます。

1、Halom Shel Metatron
ライブが始まる前に、ちょっと変な男の子(キリール)から声をかけられ、彼いわく「次のバンド、僕の先生が出るんだよね!」とのことで、壁のセットリストを見ると「エクスペリメンタル・ノイズ」と書いてあったのでちょっとビビりました。その彼の先生(「アリス」のマッドハッターの扮装)が、機械を操作し、わりとオーソドックス(かどうかは知りませんが、まぁわりかし聞き易めの)のノイズを演奏するなか、ふらふら女の人が歌うという感じ。よかった


2、Волчонок любит мышонка(bolchonok lyubit myshonka)
打ち込みトラック+ギター・ヴォーカル、特記するほどではありませんが、変な風味があってなかなか。
http://www.youtube.com/watch?v=pLKxMxr3Fmc

3、Teen Boy's Stash
The Drums in ロシア。これでドラムスフォロワーじゃないとか言い張ったら大嘘つき。好きでした。ヘタレてます。
http://www.youtube.com/watch?v=AWH9bUMvW04

4、Органические увм(organicheskie uvm;ウクライナ)
これはかっこよかった!変なノイズ+管楽器+ベース+やたら存在感のある女性ボーカル。http://www.youtube.com/watch?v=Jbhbr0QbZYA
民族色があって、もう雰囲気が独特としか言いようがない。ウクライナ感を逆手に取る。なにしろボーカルがいい。最後の曲でしたが、突如「Transmission」(ジョイディヴィ)が入り込むという謎展開。

5、Циолковская(tsiolkovskaya)
ジャンル欄に「ロシア・コスミズム」と記載のある異色バンド。一番期待して行きましたが、まあまあ普通か。3ピースにウクレレが入っている。感触としてはジャーマンプログレに、変なスペース感(ロシアのキワモノっぽいイメージを逆手に取りつつ)を和えた感じ。ときどき口琴を奏でたり、宇宙論の本から一節朗読したりします。

6、Lucidvox(モスクワ)
モスクワからの客演。女子4人組で、 ギターの子はエフェクタの使い方さえ定かでなく、漂うローファイ感。下手なんですが、所々「ちゃんと聞いてるな」というニヤリポイントがあり、バカにできません。ボーカルの子ときどきフルート吹きます。 http://www.youtube.com/watch?v=Wz6hj1NcdEU

7、Спасибо(spasibo;モスクワ)
これが一番シューゲっぽかったかなー 反復感のあるリフからのサビでグワっと盛り上げて踊らせる感じ。ライドの辺りからかな。モサ髪のギタボがうっとうしかった(悪口)ですが、ロシア人の踊りっぷりが半端なかった。
http://www.youtube.com/watch?v=DnXGwLRk3m0

8、Pawspaws(ペトロザヴォーツク)
シンセ2台のニューウェイヴ。いい感じにチープでした。もしかしてThe Wakeあたりも聞いてるかもしれません。 http://www.youtube.com/watch?v=pYMktBDhf8g

9、Mokroshelky
NYパンク感のあるバンド。露出の多い女子が前面に出てると思わずL.ランチを連想してしまうかもしれませんが、まあ普通のパンクでしょう。
本人たちより、突然全裸の中年男性がステージに乱入し、自前のラップのごとき韻文を穏やかに朗読しつつ踊り始めたのに感動しました。観客のテンションも最高潮に。

10、Неуловимые Мстители(neulovimye mctiteli)
まず顔を真っ赤にペイント+全身タイツしてるとこからキチガイ感を演出してるんですが、なかなか曲もセンスいい。変な高揚感があります。途中から市販CDをぶん投げ始めてスゴいと思いました。一枚もらってきました。 http://www.youtube.com/watch?v=a_AbaGxNG_o

11、Электроребята(elektrorebyata)
普通の感じのオルタナですかね。
http://www.youtube.com/watch?v=6lhwfT-cwEY

こっからは正直疲れてしまって覚えてないし、13、始まったところで帰ってきてしまいました。失礼なので書きません。
12、Dying Dust
13、Масло(maslo)


以上。「シューゲ」オールナイトかどうかは微妙なとこですが、広くペテルブルグにはびこるオルタナ事情についてちょっと知識を得られてよかった。
オールナイトだからか、観客のテンションが進行につれてどんどんどんどん高くなって行くのが恐ろしい。明らかイケナイ煙草やってるし。こっちの観客は、盛り上がると最前列でやったらめったら飛び跳ねまくるので、ケンカかと思うほど。しかし、後ろのほうには、ナード〜な感じ、トムヨーク〜な感じの観客もいて親しみを感じました。
1、で触れたキリールくんにはバンドに誘われましたが、結局いろいろあって没に。彼の曲もなかなかセンスがよかった。кино好きなんだろうなーという感じ。
http://vk.com/audios60813316?performer=1&q=%D0%9A%D0%B8%D1%80%D0%B8%D0%BB%D0%BB

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