投稿

6月, 2015の投稿を表示しています

セルゲイ・エセーニンの詩

イメージ
シャガネ、ぼくの、シャガネ ぼくが北から来たせいでしょうか きみに野原のことを話そうと思うのです 月夜に波打つライ麦について シャガネ、ぼくの、シャガネ
ぼくが北から来たせいなのでしょうか あそこでは百倍も月が大きくて シーラーズもかくやというほどです リャザンの曠野ほどよいものはありません そう思うのは ぼくが北から来たせいなのでしょうか
きみに野原のことを話そうと思っています ぼくの髪はライ麦からもらってきたのです もしよければ 指にとって編んでください まったく痛くなどありませんから きみに野原のことを話そうと思うのです
月夜に波打つライ麦について ぼくの縮毛で占ってくれませんか 大切なひと、からかって、笑って でもぼくの中の思い出だけは呼び起こさないで 月夜に波打つライ麦の思い出だけは
シャガネ、ぼくの、シャガネ あそこ 北のほうにも 女の子がいるんです 怖いほどきみに似た女の子が もしかしたらぼくのことを想っているのかもしれません シャガネ、ぼくの、シャガネ
*シャガネはグルジア女性の名前



*(ある女性への手紙)覚えていますよね もちろん全部 あなたは覚えている ぼくがどんなふうに 壁に張りついて 立ちすくんでいたか いらいらしてあなたは部屋中歩き回って で なんだか尖ったものを ぼくに ぼくの顔にぶつけてきたのでした。 あなたは言っていましたね 「もう別れる頃合いだわ」と ぼくの気狂いじみた生き方が あなたをへとへとにしてしまうと あなたは仕事に取りかかる頃合いだと でも 遠く 下に 転がっていくのがぼくの宿命 愛しいひと! ぼくを愛してはくれませんでしたね。 知らなかったでしょうね、大衆の群れのなかじゃ ぼくは馬のよう 汗まみれでへとへとにさせられていたなんて 容赦ない馬乗りの 鞭を喰らって。 知らなかったでしょうね、 ぼくが 一面の靄のなか 嵐でばらばらになった日々のなかにいて 出来事の宿命がぼくらをどこに連れて行くか それがわからず 苦しんでいたことなんて。 顔と顔を突きあわせるのに お互いの顔を見ることができませんでした。
大きなものが 遠くに見えます。 真っ平らな海が 沸き立つときには 船は悲惨な状態に置かれるのです。 この世は船です! でも誰かがいきなり 新しくて生き方のため 新しい栄光のため 嵐と吹雪のど真ん中に 堂々と この世という船を進めていったのです。
さて ぼくらのうち 大きなデッキの上で 落ちもせず げろも吐かず 悪態も吐かなかったのは誰だったで…