06 8月 2016

アリーナ・ヴィトゥフノフスカヤの詩

(わたしは戦争)

わたしは戦争。わたしはあいまいな現実の下僕を忠実に護る者。
忌々しい神が震えていた。貪欲な小鬼が神を嘲笑っていた。
年端のいかぬ兵士たちが恥を知らぬ空を撃つ
装填された指から。若者にとって死ぬことは易しい。

三島は何をみたのだろう、凡庸な太陽と鉄のなかに?
自分が殺したものから 狩人はいったい何を求めるというのか?
年端のいかぬ兵士たちが恥を知らぬ空を撃つ
装填された指から、捕えられた者たちの騒然たる煙。

ぶらぶらと通り過ぎてゆく恐るべき猛獣は退屈している。
忌々しい神は無防備、黄色いゴムのキューピー人形みたい。
誰が松葉杖にロリータ少女のストッキングを履かせてやるものか?...
誰がロリータの小さな脚を自分で覚えておくものか?

零(ゼロ)たちと尻の煙霧の分析者?
獄中の犯罪的な夢遊病者とポケットサイズの偏執狂?
コカインの王子様と危険なまやかしの鑑定人?
それともそうも考えられるような 不器用なハンバート=ハンバート?

暗闇のキャプテン。無神論者の絶対の零たち。
ピストルの淫売。殺された兵士たちの売春婦。
わたしの死んだ肉体は、醜悪な花嫁のよう、少佐の
美しい骸骨にぶらぶらと吊られ。そして地獄へまっさかさま。

私は十字架たちの花嫁。鉤十字の楽しげな太陽さん。
クンストカメラの女王、強制収容所の女所長、
現実を超えたキュレーター、私にとって死の恥知らずな明瞭さは
偽の芸術や現実の臆病な考えよりも好ましい。

黒い正方形、正方形、正方形どものかわりに
壁に人を、人を、人間を壁に掛けよ。
人間(蛆虫じゃなく!)(錫のお手製兵隊人形でもなく!)
わたし、これが好き、好き、好き

頭のおかしなキュレーター、キュレーター、キュレーター
斧の、または苦役の、悪魔的な友人
お手製の正方形の黒い地獄のかわりに
馬鹿みたいに古ぼけたフロックコートを着たマレーヴィチを吊るした...


*アリーナ・ヴィトゥフノフスカヤ(Витухновская, Алина Александровна、1973-)はロシアの女性詩人。1993年散文集『Anomalism』でデビュー。90年代に麻薬所持疑惑で二度逮捕されているが、その度に錚々たる文化人たちが抗議声明を出し彼女を擁護している。ヴィデオアートなども手掛ける。