31 5月 2016

TRIVAマニフェスト

TRIVAマニフェストを以下に訳出する。

TRIVA(ТРИВА)は、70年代終わりから80年代はじめという一年にも満たない期間、ノヴォクズネツクに存在したソ連最初の公認写真家集団。Владимир Воровьёв(1941-2011)、Александр Трофимов(1948-)、Владимир Соколаев(1952-)の3人からなる。グループ名は、メンバーの名前から取られた。

ドキュメンタリー写真を特徴とする。ソ連のあらゆる集団と同様、マニフェストを持っていたが、それについては以下に読んでいただける通りである。
作家がまったく手を加えない「純粋なドキュメント」にこだわるあたりが、デンマークでラース・フォン=トリアーが結成したドグマ95と類似しているということが指摘されている。

グループとしての活動期間は短かったものの、メンバー3人はグループ解散後もそれぞれ写真家としてのキャリアを歩んでいる。

近年でも時々ロシア国内外問わず、展覧会があり、筆者がペテルブルグに留学していた2013年にも「マニフェストTRIVA」という展覧会が現代美術ギャラリーで行われていた。

・メンバーの一人ソコラーエフ氏の写真はこちらから見ることができる。
・TRIVAについて、ソコラーエフ氏のサイトより。
・マニフェストの原文はこちらから。


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写真の特性は、三次元空間での出来事をまったく申し分なく写真板の平面上に表現し、二次元的なコピーである「フォトドキュメント」をつくることができるという点にある。このようにして「出来事」と写真撮影との間に結びつきが作りだされる。「申し分なく表現する」ということこそは「写真」のユニークな特質であって、そのことによって写真は人間の歴史の中に物質化した「リアリティ」を保存する力を有した、理想的な道具となるのである。それに負けるとも劣らぬ「写真術」の第二のユニークな特質は、「時間」との特異な結びつきである。金属の上の「光」によって、統一的な光束の鋭敏な痕跡が焼きつけられる。シャッターの一押しによってこの跡は、露出の深さで、「永遠」から引き出されてくるのである。同時に、写真紙に映像を物質化させることによって、この「永遠」の痕跡が「現在」のこの空間において展開するのである。そして撮影して焼きつけられた出来事は、我々の関心を呼び起こし、「歴史」空間へと開けた窓を生にもたらしながら、我々の生へと流れこんでくる。写真以外の何ものも、瞬間を「永遠」へと変貌させるこのユニークな特性を有してはいないのである。一押し一押しのシャッターが、たゆまぬ「時間の流れ」を断ち切って「入り口」をつくり、撮影自体が存在しているあいだ、その「入り口」が開かれたままにするのである。このように写真術は「永遠」の内部での時間と時間とのつながりを保つ忘れ去られた能力を人間に返してくれるのである。

我々の写真は、焼きつけられた出来事を各々の生にもたらそうとする我々の個人的な決意の結果である。この焼きつけられた出来事によって、我々は各々の歴史を拡げ、選ばれた「永遠」の痕跡を付けくわえて、出来事や遭遇、現象へのオープンな「入り口」を自分の周りにめぐらすのである。この「存在」こそが、我々の空間と、我々自身をも、必然的に変えていくのである。

ここにこそ、我々の選択と責任とがある。

形態(フォルマ)の世界は、「統一性」のあらわれに過ぎず、その相互作用の点でまったく申し分ないのである。形態の発展を注視し、その相互作用の「法則」を見出すことによって、我々は「我々自身が何者であるのか」を認識することになるのだ。



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