01 9月 2015

ヴィクトル・ソスノーラの詩

私が沈みゆくとき、夢に出てくるのは、ローマの鐘なのです、
耳から泡が立ちのぼり、ガラスの球たちを揺らめかせ、
泳ぎ歌うは音楽魚ども、
その耳鋭く、ことば喉をこじ開け、
私は口に出して言おう、ローマが沈んでゆくと、
柱廊が、競馬場が、劇場が、市場が、浴場が、
台座としての広場とそこに立つ家々が、
彫像が、別荘が、庭園が、図書館が、
馬たちが、トランペットが、雄弁家たちが、追放者名簿が、
カンピドリオの丘が沈みゆく、蛸にぐるぐるに巻かれて、
トーガが、属州が、水道橋が、テヴェレ川が、—
そしてとうとう世界が暗闇に包まれ、音は消え、水に沈み、
私はひとり沈んでゆく、そして耳の中に何やら汽笛が響いている。


*Соснора, Виктор Александрович (1936-)

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